2012年4月23日月曜日

4/22 馬頭観音のお祭りに合わせて1泊2日のお泊まりキャンプを行いました。


 4月22日、登米市米川、鱒淵地区にある華足(けそく)寺で行われた春季例大祭(ますぶち馬頭観音のお祭り)に合わせて21日から昔のお夜籠もりよろしく、1泊2日の日程でお泊まりキャンプを実施しました。参加者は伊里前小学校の2年生から5年生までの9人。歌津と登米は山を挟んでお隣さんの間柄ということもあり、昔は峠を越えて馬でお祭りに参加する人もいたそうで、ヤマ学校らしく当時に思いをはせながらのプログラムとなりました。

実際のプログラム内容をお話する前に、華足寺の説明を少し。
華足寺は登米に滞在された方は訪問したことがあるかもしれませんが、東北随一の馬のお寺です。ご本尊は馬の頭を頭上に頂く「馬頭観世音」で、その歴史は意外に古く、奈良時代の末期。初代の征夷大将軍・坂上田村麻呂とこの地の「蝦夷」とが戦争した際、敵味方に多数の戦死者および馬が死んだことから、敵味方を問わずに、その迷魂を鎮めるためとして建立されました。
建てられたのは802年ごろというからその歴史はなんと1200年! 馬の霊場としては日本最古といわれるのもうなずけますす。かつて馬が輸送や農耕、林業の主役だった時代には、馬は家族の一員のように暮らし、お寺にも参ったわけです。

さて、例大祭自体も1950年代後半ごろまでは盛んだったようで、東北地方だけではなく、関東からも多くの見物人が訪れたといいます。人々は着飾り、馬には紫の手綱をつけて鱒淵を目指したそうです。山を挟んだ反対側の歌津からももちろん多くの人が訪れ、その数は遠方からを含めて合計でなんと約3万人。馬の数は5000頭にもなったそうで、宿が点在していた米川の人たちはこの祭りで1年間の収入を得ていたとか? 

余談ですが、本堂に祭られている「馬頭観世音」は33年に一度、開帳されるそうで、次回のご開帳は2024年といわれています。そのときは往時をしのぶ賑わいになればいいですね。

 
さて、説明が長くなったので、本題に戻ります。

朝9時、集まった参加者はバスに揺られて一路、キャンプ地へ。といかないところがヤマ学校のいいところ。途中で昼食を取って、牛小屋に寄ってカブトムシの幼虫を手に入れたり、馬頭観音塔を探し歩いたり、と寄り道だらけ。目的地である裏参道脇に到着したのはなんと午後3時すぎ。本来なら車で1時間もしないで到着できるところですが、なんとも道草好きのヤマ学校ならでは、の移動となりました。

  
本来のキャンプならば、ここからは食事づくりが始まりますが、ヤマ学校のキャンプはお任せ。到着後はただちに参拝のための準備に取り掛かりました。まずは奉納する絵馬づくり。それぞれ思い思いの願い事に絵を添えて書き上げました。夕食後は郷土歴史家の菅原文吾さんに昔の様子をうかがって、初日のプログラムは無事終了。菅原さんには貴重は写真なども見せていただきました。菅原さん、ありがとうございました。


2日目は午前6時に起床。まずは朝食の準備から始めました。多くはまたまた、みいら君らボランティアにお任せでしたが、みんなで採ったツクシの炒めたものをつくりました。量は多くないけれど、藁で火をおこしてオーリブ油で炒めたツクシはまた格別。すぐそこまできている東北の遅い春を実感させてくれる一品となりました。

さあ、いよいよ参拝に向かうのか、と思いきや、まだ行きません。ここからもうひと工夫するのが、ヤマ学校流。今度は模造紙で幟旗を作りました。ヤマ学校のマークを張りつけ、馬頭観音のしるしを描いて、参加者の名前を書き込みました。幟旗は2本作製。起床から3時間以上かかってようやく準備が整って出発。険しい山道を登っていきました。

 これだけ苦労して?準備したせいか、たどり着いたお寺ではうれしいサプライズが2つ、待っていました。
ひとつはお寺のご好意で本堂の中に入れていただいたこと。ご本尊である馬頭観音はさすがに拝めませんでしたが、中にあるさまざまな資料を見ることができ、本当に貴重な体験になりました。ありがとうございました。 
そしてもうひとつは一昨年まで馬で参拝を続けてきた通称「馬仙人」に偶然、会えたこと。お持ちになっていた写真を見せていただき、このお祭りが遠くまでとどろいていたころに思いをはせることができました。

このあとは昼食におこわをいただいて、スタッフのさっちゃんも出演した余興を見学。おたのしみ抽選会では残念賞だったものの、当たりくじを引いてステージに上がった子も。お寺を離れたあとは再びキャンプ地に戻って川遊び。もうこれ以上、詳しくブログには書ききれないほど、盛りだくさんな内容で、スタッフはてんてこ舞い。 子どもは元気ハツラツ、スタッフはぐったり?の2日間はこうして終わりを告げたのでありました。

てんぐのヤマ学校では今後、5月下旬のしろうお祭りにむけて、川のことを学ぶ伊里前しぜんがっこうなどを計画しています。参加を希望される方はぜひ、ヤマ学校までご連絡ください。もちろんスタッフを買って出てくれるボランティアのみなさんも楽しめますよ! きっと…。  (歌津ボランティア 鷹)